『闇』
     written by DJ.EVO



ここはどこだろう

何も見えない

ただ真っ暗なだけ世界

でも、ここから出たいと思わない

そんなこと思ってもいない

自分がここにいる理由も、出たい理由も知らない

好きでここにいるわけじゃない

そのうち自分の姿さえも見えなくなっていく

体が闇に飲まれていく、完全に見えなくなった

何もする気になれない、考えることしかする気になれない

ただ、闇の中で考えることしかできない

なぜこの世に生まれたのか生まれてきたのか

生きているのか死んでいるのか分からない

誰も自分のことなどみていない、みているわけがない

死んでしまえばいいと思う

でも、実際、死んでしまえば少なからず悲しむ人がでてくる

そんな人の姿をみたくない、悲しませたくない

死ぬのは簡単だ

一瞬で終わる

こんなに楽なことはない

しかし、生きるのは簡単じゃない

苦しい、もどかしい、嫌になる

不満ばかりだ

それでも生きるのはなんでだろう

知るわけがない、分からない

分かりたくない、分かろうともしない

人と人が殺しあう、憎しみあう、争いあう

こんなこともうたくさんだ

こんな世界などクソだ

人間は馬鹿な生き物だ、何度も同じ事を繰り返す

懲りないやつらばかりだ

自然で生きている動物、植物などの方がよっぽどマシだ

厳しい自然界の中でたくましく生きている、常に進化している

人間はしょうもない生き物だ

同じ人間なのに、全然違う

なんで、馬鹿にされなくてはいけないんだ

好きで生きているわけじゃない

おまえが気に食わないのだったら、おれにかまうな

面倒なことはしたくない

誰も好きでこんな自分になったわけじゃないんだよ

世の中、そんな人達をたくさんみる

どこに行っても肩身の狭く、ハゲになってしまったオッサン

快楽を求めて薬に溺れた若者

会社の都合で勝手に辞めさせられたホームレス

どっかの国のお偉いさんのせいで自由も食べるものさえもない人々

上の命令で戦地に出向き、人を殺さなければならない兵士

性格が悪いヤツだって元々は素直な性格だったのだ

年を取りたくなくても、取ってしまう

みんな好きでなっているのではない、いつのまにか、なっているのだ

オタクだってそうだ

自分でなろうと思っていない

どうしようと、どれほどもがこうとも変えられない、止められない

周りの環境も関わってくるかもしれないし、自分の力で変えられるかもしれない

誰かが人生に分かれ道があるといった

そんなものあるのか分からない、行ったことがないから

でも、そんなことがあったとしても人間はすべて道が決められているような気がする

「運命」

運命に流されている人間

なんて愚かだ、動物からみたら滑稽にみえるだろう

不条理で合理的でない世界

自分達の手で世界をつくり出しては破壊を繰り返す

無意味な行動ばかりだ

だが、中には意味のあることもある

いわゆる芸術家達は、絵や文、音楽などに自分の存在、メッセージを託す

それは意味がある

でも、それらは一部の人達にしかできないことだ

やはり不条理だ

人は人を馬鹿にする

老人を馬鹿にする若者達

でも、いつかはそいつらも老人になって、若い時にしてきたことをされる

そして、死ぬ

それが自然の摂理

永遠にループし続ける

考えることもループしていく

生きていることなんて分かるわけない

結局、何も変わらず、時間さえ存在さえなくなっていく

闇の中で唯一、できることもできなくなっていく

闇の中へ完全に呑まれていく

はじめから何も存在しない闇へと……。