Runnaway ver.KEY ACT.2
作者:DJ EVO
注意: この物語はフィクションです。
なので、登場人物たちがする行為を真似をして他人に迷惑をかけないようお願い致します。
実際の道路では、道路交通法を守り安全で楽しいカーライフをお楽しみ下さい。
キャラのイメージと車が一致しないかもしれませんが広い心でお読み下さい。
ACT.2
二台の乾いたエキゾーストノートが峠にこだまする。それは闇を切り裂くように近づいて来る…。
数分後、その音の主達が祐一と名雪の目の前に姿を現した。
「祐一、やっぱり…あの人達だよ。」
名雪は怯えた顔で祐一に訴えかけている。
「そんなに怖がらなくてもいいだろう、別に悪い奴らじゃないんだからさ。」
「で、でも…なんかあの人だけは苦手なんだよ。」
「そうかぁ?オレはそう思わないけど。」
二台は祐一達の向かい側の駐車場に停まった。
音の主はホンダEK9シビックTYPE-Rと同じくホンダのGA1シティの二台。
シビックは、夜でもはっきりと分かる派手なイエローにボンネットのカーボンの黒が対照的である。
(阪○タイ○ースか!?)
一方、シティはベーシックなホワイト。これといって変わっているものではない。
どちらもパッと見、スッキリとしたシンプルな感じではあるが、明らかにノーマルとは思えないエンジン音と低い車高が只者ならぬ雰囲気を醸し出している。
夜の闇がより一層そうさせているのかもしれない…。
シビックから二人の女性が降りてきた。どちらもロングの髪をなびかせている。
運転席から降りてきたのは、大人びた風貌の女性、天沢郁未。
助手席からは名雪が苦手という女性が降りてきた。
巳間晴香という女性。
見た目では、性格がキツイ感じはしないのだが…。
シティからは慌てて降りてきた、名倉由衣。他の二人よりも幼いような感じだが年相応である。
ショートカットが少女らしく見えているのであろう。
その三人は道路を渡り、祐一達の方に近づいてくる。
最初に口を開いたのは晴香であった。
「あら、久しぶりね。二人とも、どう調子は?」
少々、挑戦的と捉えても間違われそうな口調で言ってきた。
「おう、久しぶり。この間の交流戦以来だな。」
「ええ、そうね。ところで今日は香里は来てないの?」
晴香は少しムッとしながら、きょろきょろと辺りを見回した。
「今日は来てないな、今週はもう来ないと思うよ。来週は多分、来ると思うけど…。」
「そう…、なら伝言を頼もうかしら。今度の交流戦、前のようにはいかないからって。」
ライバル心剥き出しに言い放った。
「分かった。伝えておくよ。」
「あっそういえば、次の交流戦は再来週でいいのよね?」
「ん…ああ、その予定だけど。」
「それじゃ、邪魔したわね。」
その後ろにいた郁未と由衣が慌てた様に祐一に駆け寄ってきた。
「ごめんなさいね、祐一君。晴香は香里の事になるとホントにすぐ熱くなっちゃうから。」
ぺコリと郁未が頭を下げた。
「すいません、悪く思わないで下さい。晴香さん、本当は香里さんの事嫌ってないと思います。
負けたくないという気持ちが喧嘩腰な態度になっちゃうんだと思うんです。」
由衣が確信をついた事を言ってきた。
「だからお二人も晴香さんの事嫌わないで下さい。宜しくお願いします。」
由衣もまた頭を下げた。
「ああ、分かっているよ。」
「う、うん・・・、分かってはいるだけどね…。でも、まだ馴染めないかな。」
道路を渡っている晴香に祐一が言った。
「お〜い、晴香!」
「なによ。」
「そこは危ないぞ。」
と、その時
ドッーン!!!と凄い音がした。それと鈍い音も一緒に…。
突然、猛スピードで突っ込んできた車が晴香を吹っ飛ばした。
「ぐはぁ!!」
晴香が宙に舞う…。10メートルは軽く飛んだだろうと思われる。普通だったら即死だ。
「おい、瑞佳!人轢いちまったじゃねーかよ!!どうする!?」
「どうするっていわれても…。大体、浩平が飛ばしすぎなんだよ!」
マツダNA6Eユーノスロードスターに乗っている二人が言い争っている。
「ちょっと!あんたら何してくれるのよ!!」
頭から血を流している晴香が殴りかかってきた。生きていたのだ。これは奇跡だ。
あんぱんにあんこが入っていないくらい凄い事だ。(意味不明)
「お、おれは悪くないぞ!!瑞佳が構うこたぁねえ、地の果てまでぶっ飛ばせって言ったんだよ。」
「ナニ、言ってるのー!!まったく浩平はウソばっかり言わないでよ!!ともかく、ドライバーが一番が
一番悪いに決まってるんだから、ちゃんと謝ってた方がいいよ。」
「おう、済まないな。怪我はないか?」
浩平は言葉では謝ってはいるが悪気がまったく感じられない。
「お前か―ッ犯人は!!!慰謝料払わんかい!!!てゆーか、その前にちゃんと謝れぃ!!!!」
浩平の胸倉を掴んで思いっきり体を揺らしている。首がグラグラと縦に揺れている。
「すーいーまーせーんーでーしーたーぁっぁっぁっ…。」
「もっと、大きな声で!」
「す〜い〜ま〜せ〜ん〜で〜し〜た〜も〜う〜二〜度〜とい〜た〜し〜ま〜せ〜ん〜。」
「誠意が足らない!!」
追い討ちをかけるようにさらに晴香は浩平の体を揺らした。
と、ここで郁未と由衣が止めに入ってきた。
「晴香もういいでしょ!!折原くんが本当に死んじゃうから!!」
「それぐらいで許しあげましょうよー。晴香さんも無事だったんですから!!」
二人の必死の説得により浩平が本当の永遠の世界に逝ってしまう前になんとか止めることができた。
「はぁはぁ…、誰か小さな女の子が川の向こう側で手招いていたような気が…。」
命からがらなんとか浩平は生還する事ができた。
ACT.2 END
あとがき
本当にあっちの世界へ逝ってしまいそうになった浩平くん。大変です…。
晴香ってあんな性格だったけか?
ここでお詫びです。
ACT.1ではマニアックな単語が多く解説も多かったので、各キャラの車のスペックなどは別の場所で補足したいと思います。
細かい説明は資料館でしますのでいろいろ知りたい方はそちらでどうぞm(_ _)m
ストーリーが進むにつれて更新していきたいと思います。