ここにある幸せ
     作者:空ーAIRー



「やべ〜!遅くなっちまった」

と急いでいる往人、あの出来事の後、この地へ住むことになり

今では職にも就くことができた

あの出来事から五年、彼女は何事も無かったのように普通に暮らしている



 ガチャン



「ただいま!」



パタパタ



「おかえりなさい、あなた」

「悪ぃ、遅くなっちまった・・・ごめんな観鈴」

・・・あなた?

なんで観鈴が「あなた」なんて言ってるのかとゆうとあの後(五年後)

観鈴と一緒に居たい想いを形に変えてプロポーズしたのだった。



〜回想〜

五年前



「なあ晴子」

「なんや?居候」

今俺と観鈴が晴子と向かいあっている、晴子は何杯目かしらない酒を飲みながら

こちらに耳をかたむける

「観鈴と結婚していいか?」

「ぶっ〜!!」

「わっ!お母さん汚い」

「げほっげほ・・・・い、いきなり何を言うかと思えば!」

「いきなりじゃないぞ、ちゃんと間を置いて話した」

「うん、そうだよ、往人さんは偉いよ〜」

「だよな?俺は偉いんだ!」

「にはは 往人さんかっこいいな〜(ぽっ)」

「観鈴・・・」

「往人さん・・・」

「ってなにそこでらぶらぶしとんのや〜!」

パシーン!

「がおっ!」

「ぐ、ぐお〜・・・(涙)」

「まったく・・・で、なんで結婚なんかしようと思ったん?」

「いつつ・・・なんでって、観鈴と一緒に居たいと思ったからだ」

「観鈴は?」

「私も・・・ずっと往人さんと一緒に居たいから・・・」

 あの後往人はどんなことがあっても観鈴の傍に居ると誓った

観鈴もどんなことがあっても一緒に居てくれた往人に自分の生涯をかけて

傍に居ようとお互いに思っていたのだった

「・・・だめか?」

「・・・」

「お母さん・・・」

「ふぅ〜・・・もう観鈴もうちのもとから巣立ってくんか・・・」

「・・・」

「なぁに反対はせえへんよ、あんたならうちの子やっても大丈夫やしな」

「本当か?」

「ああ・・・ただ、観鈴を悲しませたらあんたシバいたるからな」

「しねぇよ」

「せやな・・・まあよく考えたら・・・あんたら二人がくっつくとは思いもせえへんかったな〜」

「俺も」

「私も」

「こんな変な子よく貰う気になったな〜」

「俺もだ」キッパリ

「が、がお」

「「ポカッ」」

「いたい・・・どうして二人でぶつかな〜」

「・・・まあこんな子やけど大事にしてくれや」

「最初からそのつもりだ」

その後 二人は神尾家の近くの格安の一軒家に移り住んだ

晴子はもっと遠くの方がええんのちゃう?と言っていたが

俺はそんな気は毛頭無く 毎回晴子と会えるこの地で住むことにした



二人が出会ったこの地で・・・





「・・さん・・・往人さん!」

「ん?・・・ああ、どうした?」

「どうしたじゃないよ〜、急に黙り込むし」

「そっか、悪いな、ちょっと考え事してて」

「ふーん、あっ!それよりご飯にする?お風呂にする?」

「観鈴・・・大事な事言い忘れてるぞ」

「大事な事?・・・・あっ!(ぽっ)」

「じー・・・」

「い、言わなきゃダメ?」

「ダメ(0.03秒)」

「が・・う〜・・・(真っ赤)」

「じー・・・」

「ご、ご飯にする?お風呂にする?・・・それとも・・・私?」

「もちろん・・・お前だ〜!」

「きゃあ〜!」

「ふっふっふ、よく言ってくれた、それじゃあご褒美をあげよう♪」

「ちょ、ちょっと往人さん・・・ゃん!ま、待って!ご飯冷めちゃう〜」

「いいではないか、それに観鈴だって実は期待してるんだろ?」

「そんなこと・・・ひゃあ!往人さん鼻息荒い(汗)」 「それは興奮してるからだ!」

「はぁん!・・・ゆ、往人さん・・・(うるうる)」

「どうした?」

「い、いいよ・・・(ぽっ)」

「いいのか?」

「(こくり)」

「じゃあ、頂きマース!」



・・・・・・・・・・。





「いや〜運動の後の飯は美味いな〜」

「そ、そうだね(真っ赤)」

さてどんな運動をしたかとゆうと・・・どんなって奥さん(ぽっ)



「ごちそうさん」

「お粗末様でした」

カチャカチャ・・・今観鈴は洗物をしている

・・・今思えば台所にいる観鈴は何とゆうか・・・綺麗だ

こんな日常が来るだなんて・・・

「どうしたの?」

「いや、ただ見てるだけさ」

「にはは、恥ずかしいな〜」

「何か手伝うか?」

「ううん、大丈夫、あなたは疲れてるから部屋でくつろいでて」

「そうか・・・」

部屋でテレビを見ていると洗物を終えたのか隣にちょこんと座ってきた

「ねえ」

「うん?」

「最近アレが来なくて病院に行ったんだけど・・・」

「それで?」

「・・・三ヶ月だって」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」

イマナントオッシャイマシタ?

アレが来ない?

サンカゲツ?

・・・・・・・・・アカチャン?

「って赤ちゃんか!?」

「うわっ!そ、そう・・・赤ちゃん」

「本当なのか?」

「うん・・・・」

「・・・」

「産んじゃ・・・だめかな?」

恐る恐るといった感じで聞いてくる

「なんでそんなこと聞くんだ?」

「だって・・・往人さん・・・考え込んでたし・・・」

「ああ、あれは急なことだったもんで(汗)」

「・・・」

「観鈴・・・」

「・・・・」

「元気な子供産んでくれよ」

「・・・うん・・・うん!」

一瞬間の抜けた顔をしていたと思ったら

今度は感極まって泣いてしまった・・・泣き顔を見られたくないのか俺の

胸に飛び込んできた

「往人さん・・私頑張って産むね」

「ああ、頑張れよ!」

「うん!」





前世では幸せになれなかったが往人と観鈴のおかげで呪縛から開放された

柳也と神奈・・・

ひょっとしたら往人と観鈴の間に生まれる子供は

柳也と神奈の子供でもあるのかもしれない・・・


























「なあ、柳也殿」

「なんだ、神奈?」

「この子の名だが・・・」

「ああ・・・もう考えてある」
















               ・・・空・・・

               ・・・AIR・・・