ほにゃり ほにゃりふたりたび 第6話
作者:空ーAIRー
「それにしても・・・」
「・・・」
「暑いな」
「暑いの・・・」
すでにことみはギブアップのようだ
「咽渇いたな・・・持ってきたお茶あるか?」
「もうすっからかんなの・・・」
水筒を逆さにして無いことを証明することみ
「なんかこの辺に自販機はなさそう・・・あっ、あった!」
武田屋と書いてある小さな店の前に懐かしい紙の入れ物のジュースがあった
「げっ・・・数少ないじゃん!」
「でもしょうがないの」
「だな・・・じゃあ俺は・・・これにするかな?」
どろり濃厚ピーチ味と書かれている、・・・・・どろりってなんだ?
ちなみにことみも同じものを買っている
さっそく飲んでみる
ちゅ〜・・・・
「!!!!!!」
ちゅ〜
「!!!!!!ぷはっ!なんだこりゃ!?」
いくら吸ってもでてこねぇ・・・
逆にこっちの活力が吸い取られる感じがあるし
商品の表示を見てみた・・・・・いや、やめておこう
俺の中の第六感が危険信号を出している
ちなみに・・・・
「・・・・」
ことみは顔を真っ赤にしながらふらふらしていた・・・
酸欠である
なんでこんなもの売ってるんだ?
「こんなの飲めるか!」
と蹴り飛ばそうとした時に
「だめ!」
止めの声が聞こえてきたのでとりあえず止めた
「もう・・・どうしてそんなことするかな〜」
とことこと歩いてきた女性はつぶやく
「あのね、このジュースはこうやって飲むの」
ギュギュと箱を押しながら飲んでいる
試しに飲んでみる
ギュギュ
「ぶほぁー!なんじゃこりゃ!?」
・・・どろりである
「おいしいでしょ?」
その女性はちゅーちゅーと美味しそうに飲んでいる
「♪〜」
「・・・美味しいですか?それ」
「うん!おいしいよ!」
「そうですか・・・」
とても相手にしていられないので話題を変える
「ところで・・・この辺にどこか止まるところありませんか?」
「えーっと・・・駆け落ち?」
「なんでやねん!」
と、すかさずことみのツッコミが炸裂する
「が、がお」
・・・がお?・・・とりあえず追求しないでおいて
「どこかないですか?」
「それなら家においでよ!」
「え?」
「家なら泊まる所あるから大丈夫!」
Vサインをしてみせる女性
「えーっと・・・大丈夫なんですか?見ず知らずの他人なんか止めて」
「大丈夫!前から家に泊めてた人いるから」
「えーっと・・・どうする?ことみ」
「私は平気なの、この人いい人だし!」
・・・とりあえずことみが言うなら大丈夫なのだろう
「・・・じゃあ、いいですか?」
「うん!あっ、私観鈴、国崎観鈴!」
「俺は岡崎朋也です」
「私は一ノ瀬ことみです」
「じゃあ挨拶が終わったところで家にレッツゴー!」
なんでこの人はこんなに明るいんだ?
とりあえず泊まる所は確保出来たのでよしとする
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